新しい時代の履歴書2.0、業務経歴書2.0の項目 そして採用2.0

就職するときに求められる履歴書。転職するときに求められる業務経歴書。
転職に限らず、新入社員募集、アルバイト募集に応募するときにも履歴書が必要。
市販されている履歴書を見ると、氏名、生年月日、住所、連絡先、血液型、学歴、経歴(会社歴・職歴)、資格、趣味。
そんな感じ。
でも、それだけの情報で人を判断することは出来ない。
新入社員の入社試験で、1次審査の書類審査で審査するポイントは、おそらく、学歴あたりか。
たしかに学歴はその人の素頭を計る尺度かもしれない。 
偏差値が高い大学であれば、ある程度、物覚えがよいだろうと担保されている可能性は高い。
しかし、これからの時代は、物覚えだけでは太刀打ちできない時代。
学歴以外に、その人にどんな潜在能力があるのかを測る尺度が必要では。
 
学歴にこだわるのは、まっさらな形で新人研修から叩き込んで、企業文化に染まった新人を育てることが出来る大企業だけ。
他の多くの中小企業、ベンチャー企業では、とても新人育成には手が回らない。
即戦力として使えそうな人材を求める。
そのため、新人採用でもインターンを採用する会社が増えている。特にIT系やベンチャー多し。
試験採用的な意味合いもあるかもしれない。
 
アメリカでは、就社ではなく、本当の意味での就職。職・ポストに対して応募。
人事権も上司が持っている場合が多い。
新人は本当に下っ端の下積みを経験して、それからステップアップするキャリアパスがある。
学生時代の経験で、大きなポストにつくことも。新人も転職者も機会均等。
転職先の上司が採用する前に、応募者の転職前の職場の上司にその人について電話で問い合わせることは当たり前。仕事振りはどうだったかなど。それも複数の人に。
米国におけるヘッドハンティングや特別ポストは別かもしれないけれど、通常、職への応募は、その人を推薦する推薦状が必要。いわゆるお墨付き。
(ちなみに、推薦状の文章は自分で考えて、推薦者にはサインをもらうだけの場合が多い)
ところが最近は、それがWEB2.0化して、facebook や linked in に表されるようにネット上でその人のつながりがわかるから、この人物はどういう人なのか、つながっている人に直接メッセンジャーで問い合わせる。つながりのある共通の知人も見つけやすい。
「おぉ あいつの友人だったんだ。ちょっと聞いてみるか」という感じに。
 
ところが、今の日本の就職状況を見ると、「履歴書を郵送で」とある会社も多い。
しかも書類審査で落ちても、返送しない。「弊社で破棄する」とのこと。
写真代も郵送代もバカにならない。もちろん推薦状は不要。学校推薦は別だけど。
たしかに昔、インターネットがなかった時代は、会社資料請求ハガキに1枚1枚、就職応募動機を手書きで書いていた。誤字脱字しないように、下書きして。
間違えると、修正液でわからないように一生懸命消したり。
ハガキ用修正ペンなんていうのもあった。消せるボールペンは宝。w
バブル当時は、ダンボールでリクルートから会社案内が送られてきた。
そのまま、ごみ出しの場所に積まれているのを見たことがある。
今思えば、資源のムダ。
そんな時代。
 
さすがに、今では、進んでいる会社は、ネット上で登録応募だったり、メールでの郵送も受け付けるところも出てきた。
他方、いまだに履歴書を郵送させる会社も多い。特に中小の製造業。ガンバレ製造現場!
 
また、入社試験をしている会社もある。(形だけかもしれないけれど)
個人的には、あまり意味がないと思う。
わざわざコストをかけて入社試験をするということは、大学・高校の成績表が信用されていないということかもしれない。
まぁ、落とすときの言い訳にはなるのかも。
「取引先のお嬢さん、書類審査では通ったんですが、筆記試験がちょっと・・・」
これなら取引先のお得意さんもあきらめる。なーんて。
 

今の日本の人材流動化の流れを見る限り、アメリカの流れになっていく様子。
ちなみに中国もアメリカの人材採用の形が本流。
就社ではなく就職。ポストに対して、職応募のポスト主義。
 
日本のトヨタに見られるように、就社が、擬似家族経営で、愛社精神を生み、日本の強みであることは確か。
しかし、海外大学採用もあるため、新入社員一括採用も崩れつつあるのが実態。
転職者も増えている。
日本の公務員だけは年一回の採用。役所が通年採用になれば、大企業にも同様の動きが出てくる。
話がずれてきた。
 
で、本当の意味での就「職」になる時代が来るとすれば、新人同士でも給料が変わることは当然。
優秀な人であれば入社契約金の可能性もある。
大学の偏差値なんかでは評価されない。
新人であれ、どのような才能、人脈、ビジネス経験を持っているのか、自己PRしないといけない時代が来るのでは。
 
もし自分が採用する側の立場だったら、その人の何を知りたいか考えてみた。
採用2.0。
 
まず、その人の名前でグーグル検索。
一応、YAHOOでの検索もすると思う。とりあえず。
同姓同名が多い場合は、あきらめ。特に芸能人と同じだとお手上げ。
知りたいこと。
仕事・業務に対して何が出来るのか。どんな点が得意なのか。
会社にどのような形で貢献してもらえるのか。
ブログやミクシィでわかること。
ブログでは、どのようなことを考えているのか。
何に興味・関心があり、どのように考え、どのような知識があるのか。
ミクシィ、グリーではどんな人とコネクション・ネットワークがあるのか。
 (もちろんそれがビジネスにつながる可能性も)
シックスディグリーで、意外な人と共通の友人だったりすることを発見するかも。
 
また、ヤジウマ的で、仕事には関係ないけれど、親の職業や犯罪歴、借金、宗教、政治信条とか。
おそらく、興信所の調査もそのくらいではないだろうか。
仕事とは直接結びつかないけれど、ちょっと気になる。
ただ、これは、差別につながって、聞いてはいけないのかもしれない。
調べてもいけないのかもしれない。
しかし、ブログやミクシィのコミュを見れば、わかる可能性がある。
今まで面接だけではわからなかったこと、面接で聞いてはいけないことが、ネットで調べればすぐに出てくる。
 
面接では、当たり障りのない質問。
趣味は何ですか。休日はどんな風に過ごしていますか。
なんだかストーカーみたいだ。w

 
おそらく、アメリカでも同様で、肌の色や人種、政治、信条など聞いてはいけないことが、facebook や linked inでは、写真が公開されて、プロフィールなども、明らかにわかっている。
facebook や linked inが、仕事上のマッチングで流行る理由はこうした背景もあるのでは。
 
とりあえず自分が考えてみた「履歴書2.0」「業務経歴書2.0」
1.氏名
2.住所・連絡先・メールアドレス
3.生年月日 (動物占い
4.血液型
5.学歴・経歴
6.資格
7.ブログのアドレス
8.MixiのID・greeのID
9.RSSリーダー どんなRSSを読んでいるか
10.ブックーマーク
11.アマゾン書評
12.日々、日課にしていること(ライフハック的なもの)
  
facebook や linked inの日本版がないので、ある意味mixigreeがその機能を果たすかもしれない。
ブクマ、RSSやアマゾン書評なんかは、恥ずかしくて見せられないけれど、採用担当者だったら知りたがるのでは。ブログなどは、就職先の業界にマッチしている内容であれば、他の応募者との差別化にもなる。
ブログやmixiの日記、コメントから、この人はどういう人なのかがわかり、会社で本当に欲しい人材なのか、求めている人材なのかがわかる。ミスマッチが起きないための対策にもなる。
退職率の増加にも歯止めがかかるかも。
 
最終的には、対面面接で、一緒に働けそうか、この会社に馴染めそうか、この仕事に貢献するやる気があるのかがわかれば十分。
 
新しい時代における履歴書、業務経歴書について、少し考えてみました。