マジメな人ほど引っかかる スパムビジネスがなくならない理由

相談を受けた。
丁寧にスパムメール・迷惑メールに返信している会社の担当者がいる。
 
失礼だけど、ぼくからすれば、信じられない。
ところが本人はいたって真面目。
せっかく申し込みフォームから送信してくれたのだから、返信するのが当たり前だとのこと。 
はじめて気がついた。ネットの世界の常識が通じない人がいるということを。
返信するとさらにスパムメールが来ることがわかっていない。
理論で説明しても、感情が勝つ。
「せっかく申し込みフォームでメールが来たのに申し訳ない」とのこと。半分冗談かと思った。
スパムメールの内容。フォームメールからの送信で、内容はリンクだらけ。
どう見ても怪しいいたずらメール。リンク先はXXX.com XXX.comだらけ。
普通は、無視するか、黙って削除する。ところが。
スパムメールだと説明しても、もしかして相手の人が間違って送信したのではとのこと。
そうしたメールに丁寧に返信。真面目に丁寧に。
「必要な項目がありませんので再度送信してください。」
終わった。
50代 パソコン初心者 男性独身。 ターゲットとなりやすい層。
 
道端で怪しい宗教や絵画などのキャッチセールス、詐欺っぽい募金活動、やばい勧誘がいっぱい。
 
普通だと、そういうものは無視して通り過ぎるか、不要ですといって断る。
 
すべての人がそうであれば、そうしたビジネスは淘汰されるはず。
ところが、なくならない。
100人に1人あるいは、1000人に1人でも、なぜか引っかかる人がいるみたい。
 
特に、世間を知らない社会出たての若い人が引っかかる。世間知らず新社会人ホイホイ。
若い人だけじゃない。中高年の人も引っかかる。
 
理由を考えてみた。
世の中には、そうした怪しい勧誘を無視できない人がいる。
人がいいというか、真面目というか融通が利かないというか・・・。
多額の借金を背負っても、学習しない。わけのわからないものを高額で買わされても当然と思っている。
別の見方をすると勧誘弱者。
勧誘されると断れない人たち。いやと言えない人たち。 
スパムメールがなくならない原因は、そうしたメールに素直に返信したり入会したりする人がいるから。
引っかかる人たちの特徴。いい人、やさしい人、真面目な人、素直な人。
投資詐欺やオレオレ詐欺などに引っかかる人たちにも共通するものがあるかもしれない。
 
やさしい人、真面目な人、素直な人が、騙されないようにしないといけないけれども、食うか食われるかの世界。騙すか騙されるかの世界になると強者の論理が勝つ。
必ずしも、やさしい人、真面目な人、素直な人が報われる社会ではない。
そうあってほしいけど・・・。
 
ウェブ・リテラシーを身につけても、勧誘弱者の弱さだけは直らないような気がする。
 
なんだか悲しい。