BOP向け 出稼ぎ送金について調べてみた

日本から海外への送金をする場合、通常の銀行は手数料や為替手数料が高く5000円から7000円ほどかかってしまいます。
自分の口座で自分が海外で引き出すなら、シティバンクやFX海外口座を使うと手数料が安い。
しかし、途上国には銀行に口座が持てない人々がたくさんいます。
ペイパル(paypal)といったネット決済は便利だけど、カードを持っていない人(銀行口座がない人)には送金やお金の受け取りが難しいです。
そうした人たちが、家族が海外で働いて送金・受金するサービス(BOP(”Bottom of the Pyramid”または”Base of the Pyramid”)向けのマイクロファイナンス、個人間送金サービス(銀行口座が持てない貧困層向けの送金サービス))について調べてみました。

 
途上国への送金で広く使われているウエスタンユニオンは、残念ながら日本ではサービスしていません。

現在、Western Unionの送金サービスが使えない国は、
北朝鮮、イラン、ミャンマーソマリア、日本、スーダンの6ヶ国
日本は、スルガ銀行が提携終了してしまった。

エスタンユニオンは、2009年1月30日にスルガ銀行との国際送金に関する提携契約の終了により、日本市場から一時撤退している。
スルガ銀行は、金融庁指導によるコンプライアンス(本人確認法の維持)の維持ができないと判断し、提携を終了するとコメントしているが、同法の施行を見据えたウエスタンユニオンが規制の多い日本の銀行との提携を敬遠し、単独もしくは他の国内事業者との提携を模索しているものと思われる。

以下、参考になりそうなリンク

「労働者送金」の規模と送金ビジネス
http://www.iti.or.jp/kikan49/49masuda2.pdf
Western Union以外にシティバンクのC2itの事例が紹介


米国際送金大手ウエスト・ユニオンがインド農村部に進出
http://indonews.jp/column/column_doi_01_67.html
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100203/212544/
おぉ、インドで見逃してしまった!

携帯を使ったSMS決済サービス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20091009/206743/?P=1
NRI −「120円送金」が出稼ぎを助ける
ケニア 携帯電話事業者サファリコムが提供するエムペサ(M-PESA)紹介
CEO枋迫さんのMFICも紹介されています。

日本からの送金だと今年の7月にアイネスがMFICと提携を結んだので、これからかも
http://www.ines.co.jp/news/2009/200907021.html
参考:マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション(MFIC)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/071205/trd0712050358000-n1.htm

途上国の携帯電話による決済サービスはすでに始まっているようです。
GSM協会
http://gsmworld.com/
ドキュメントを読んでみると
http://gsmworld.com/newsroom/document-library/
様々な途上国でBOP向けにモバイルマネーサービスを始めているようです。
AKTEL (バングラデシュ)、Dialog Telekom PLC (スリランカ)、Grameenphone Ltd(バングラデシュ)、 MTN Cameroon(カメルーン)、 MTN Uganda(ウガンダ)、Vodacom Tanzania(タンザニア)・・・
2007年から試験的に始めていたんですね。
GSM協会が試験的プログラム(2007年の記事)
http://prw.kyodonews.jp/prwfile/release/M000010/200702138896/_prw_open.html

あまり知られていませんが、携帯電話を利用した送金サービスですと、Money Gram、splash-cashといったサービスもあります。

MoneyGram
http://www.moneygram.com/
韓国 ウリィ銀行 MoneyGramサービス
http://pot.wooribank.com/pot/jap/pib/wepib024_01c.jsp
イタウ銀行東京支店 マネーグラム提携送金
http://www.itau.co.jp/moneygram/japanese.html
東京支店だけだと、地方都市にいる出稼ぎ労働者にとっては非現実的です

splash-cash
http://www.splash-cash.com/
コペルニク シェラレオネの事例紹介
http://thekopernik.blogspot.com/2010/01/splash-cash.html
Western Unionのミニアフリカ版みたい これからかな

ゆうちょ銀行かセブン銀行あたりが、Western Unionやmoneygramサービスを始めれば日本の出稼ぎ労働者にとっては助かるのになぁと期待。
 
ただ、120円で世界中、送金できるようになると、日本国内の既存の振込みサービスの価格破壊が起こるかも。同じ銀行の違う支店でさえ、315円手数料がかかり、他の銀行へは735円も手数料がかかる。
3倍、6倍もの差。既得権益業界の反発が予想されそう。