裁判所傍聴日記 7つの事件の判決

先日、裁判所に傍聴しに行った。
きっかけは、高校時代の友人に誘われたのがきっかけ。
裁判員制度裁判員になったらどうする?その一言が決め手。
裁判員制度に興味あったし、大人の社会見学のつもりで。
 
感想。
麻薬がらみの犯罪、多すぎ。
犯罪者には、若い子もいたし、もちろん、女の子も。
で、傍聴した判決のほとんどが、執行猶予の判決だった。

麻薬がらみは、再犯率が高いと言われているけれども、やはり、執行猶予。
刑務所もいっぱいなんだろうなぁと思った。
これが現実。

行ったのは、東京地方裁判所
携行品チェックのあと、入り口を通ると、受付でリストを閲覧できる。
今日の裁判が行われる内容のリスト。
このリストで、どこで何時からどんな犯罪の裁判が行われるかがわかる。
サーっと一通り見て、傍聴スケジュールを立てる。
民事関係は、離婚や金貸し、土地争い、相続関係が多い。
刑事関係の方に興味があったので、こちらをいくつかピックアップ。
 

で、裁判事例の紹介。
どんな裁判の事例があったかというと、ほんの少し紹介。

 
1.覚せい剤を仲介した売人(若い女の人)の裁判
証言台に売人の友人が証言。
この売人から覚せい剤を買ったかどうか。
なんだかかんだ言って、証言があいまい。
麻薬の元売の売人について供述。元売の売人は孫もいるおばさん。
携帯電話の電話帳に登録した人がその人かどうかはわからない。
何のために登録したのか。わかりません。
会ったこともない人。電話する気もないのに登録。
で、今度はファミレスでその人と食事したことが判明。
でもその人の顔はわからない。名前も知らない。
弁護士から「●●はウソということですか?」
「まぁそういうことになります」
ゲッー。散々、判事や弁護士からウソをつくと偽証罪になりますよと言っているのに。
偽証したことを認めちゃったよ。
でも、なんかお咎めなし。こんなものなのか。
しゃべっていることも、頭悪そうな話し方。
証言台に立った友人も、実は覚せい剤で執行猶予の身。しかも再犯。
話がかみあっていない。
全然証言にならない。
 
子供に会うために交通費として1万円を貸した。
その貸した代金として、覚せい剤が「間違って」送られてきた。
 
同封されていた手紙に、「g(ジー:麻薬の隠語)を1万円分「出しました」」と記載。
「出す」というのは「売る」ということではないか。

大宮インターの近くのコンビニに行ったら、「偶然」に売人と会った。
でも、顔は見たことない。顔を見ないで会うってどういうこと?
うーん。傍聴している方もわからなくなってきた。

今回は、時間オーバーしながら、次回に持ち越し。
 
2.麻薬がらみ
窃盗で捕まり、家宅捜索したところマリファナ発見。
同居していた母親も知らなかった。
母親がしっかりと保護観察することで執行猶予。
親がかわいそう。
今まで家庭での会話がなかったみたい。
そんな状態で、これからうまくやっていけるだろうか。
 

3.麻薬がらみ
生活保護を受けている20代女性。一人暮らし。
うつ状態で働けない状態。生活保護受給。
精神的につらくて麻薬に手を出した。
生活保護のお金で麻薬を買ってしまう。
負のスパイラル。
初犯、執行猶予。
判決後、そのまま被告人席から傍聴席に解放されてボーとしていた。
うつろな目。
  
4.電車チカン(強制わいせつ)
信用金庫の男性。まじめそうな50代くらいの男性。
傍聴席に座ったとき、最初、この人が被告人だとわからなかった。
西武池袋線でのチカン。下着の中に手を・・・・。リアルすぎる描写。
被害者の女子高校生は、明るい性格から一転、家に閉じこもるようになったとのこと。
慰謝料の和解あり。慰謝料150万円。執行猶予。
慰謝料150万円で、心の傷は癒えるのだろうか。
犯罪被害者保護制度では、被害者の精神的ケアはどこまでしてくれるのだろうか。
 
5.買春
20歳の男性。まじめそうな男の子。被告人の両親も傍聴。
渋谷ラブホテル。相手は女子高生。価格は1万円。えっ?1万円?
執行猶予。もちろん前科に。
傍聴席には、うちらと被告人の両親だけ。まじめでやさしそうな両親。
一番前に座って被告人を見ている両親の後姿を見ると、傍聴してしまったことが、なんだか後味が悪い。

 
6.詐欺
体は大きい。40代。
病院代踏み倒し、タクシー代踏み倒し、タクシー代の踏み倒しが何件も。多すぎ。
タクシーの運転手さん、給料安いのに、かわいそう。
俺はヤクザだと言って踏み倒し。
どこかの組に所属しているわけではないらしい。
住所不定。所持金なし。
懲役2年4ヶ月。
 
7.業務上過失致死
羽田からの国道。交通事故。トラック運転手が歩行者をはねて死なす。
歩行者横断禁止の場所で深夜帯。スピードオーバー30km。
なぜ歩行者がそこを横断しようとしたかはわからない。
7:3 示談。歩行者 30代男性。
トラック運転手、まじめそうな男性40代。
執行猶予。
 
8.金品窃盗と麻薬
工員。雇い主の家と工場。合鍵を作って侵入。覚せい剤を買うため。
他の工員たちの工具類を質屋に売却。
26万円相当。
工員たちの手馴れた工具は戻ってきていない。
被害額を分割返済。田舎の父親が支払い。上京して監督。
執行猶予。


 
今回は、1件の裁判継続と7件の判決を紹介。
なんだかんだ言って、麻薬がらみの犯罪が多いように感じた。
犯罪者は、麻薬被害者でもある面を持っている。
 
犯罪に対する罰と同時に更生するチャンスも必要。
裁判員になったときに、どう判決を下せばよいのか、量刑、判決内容、執行猶予なのか懲役なのか。
非常に悩ましい。
事前に裁判所に行って、傍聴しておくことをぜひお勧めしたい。
 
こうした機会を誘ってくれた友人に感謝したい。ありがとう。