保健医療経営大の課題と対策 たらればの話

保健医療経営大の入学者が定員の2割にも満たない。
大学全入時代まさしく。

保健医療経営大学
http://www.healthcare-m.ac.jp/
 

今春開学した保健医療経営大(みやま市瀬高町高柳)で7日、初めての入学式があり、初年度は定員150人に対し、入学生27人と厳しいスタートを切った。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/14909

保健医療経営大学は、九州 福岡県みやま市にある保健医療経営学部 保健医療経営学科のみの新設の4年制単科大学
「施設経営」と「地域経営」の2つのコースがある。
1学年定員150人。福岡県久留米市の医療法人が作った学校法人「ありあけ国際学園」が運営。
 
いやー、逼迫する医療経営に着眼する点は評価できるけれども、この27人の入学生ではやっぱり寂しすぎる。あと、場所がちょっと田舎。車がないと不便だろうなぁと思うけれども、駐車場の整備は先延ばしに。
やっていけるのか?学生数が27人って、もしかしたら、教員と事務スタッフの数の方が多いのでは。
授業選択なんて出来るのだろうか。
 
なぜこのような事態になったのか少し課題を整理してみた。
1.認知されていない。
2.学生が医療経営に興味を持っていない。
3.新設大学なのでOBがいない。
4.就職が心配だ。
5.知名度がない。
6.入試案内がわからなかった。

たらればの話。
社会人向け大学院に特化すべきだったのでは。
実社会に出てからキャリアを新たに積みたい実践的な社会人大学院。
通いながらではなく、土日に開講。
ターゲットは福岡のサラリーマンとサラリーウーマン。
金曜日の夜から土日にかけて合宿形式で学べる大学院。
出張授業もあり。
様々な病院を視察して、実際の現場で学ぶ。
病院ひとつひとつまったく経営が違う。それぞれ特色があり、医療文化も違う。
そうした病院を現地で見て感じるところから、学びが始まるはず。
講義や机上では、医療経営はわからない。
様々なバックグランドをもった学生が議論、討論を通じて学びを得ていく。
そんなイメージを持った。
 
ところが、保健医療経営大は4年制の大学。少子化で学生が急激に減っていくし、場所がちょっと遠すぎ。
おそらく、このままだと来年も同様。大学が定員割れして潰れていく中、この大学に1学年150人も集まるとは現実的に思えない。
下手をすれば、4学年がそろっても100人に満たない可能性もある。 
ということで、勝手に1学年の学生数27人でも経営が成り立つ対策を考えてみた。
 
1.運営費
学生からの授業料ではとうてい足りない。
客員ボランティア教授を全国から募る。
学生たちに教えるのが好きなボランティアを募る。無報酬。
お金に余裕があり若い人に自分の思いを伝えたい中高年の人たちがいっぱいいる。
そうした人たちに協力を呼びかけていく。
また、地元企業の経営者だったり、地域の世話好きな人の話もすごく勉強になる。
むしろ生の現場の声なので、迫力が違う。
 
2.出張授業
外に出ないと知名度が上がらない。
教授は外に出て稼いでいく。そして大学の知名度を上げていく。
 
3.校舎
こんなに広い大学はいらない。校舎は捨てる。あるいは、売却。
電気代、清掃費用など維持費だけでも多大なコストになる。
どこか他の大学の教室を借りたり、公営施設の会議室を借りたりして節約する。
これが現実な選択。
 
4.ターゲットを変える。
土日だけ開講する大学に。
ボランティア先生も集めやすいし、社会人向けに絞る。
夏休みなどの長期の休みなし。不要。土日通年開講。
 
5.英語・中国語授業
アジアの玄関口 福岡に近い。
フィリピン、中国人留学生を重点募集する。授業は英語と中国語で土日開講。
平日は働けるように。
工場の誘致。
「日本で働きながら大学を卒業できる」を売り文句に。
先生は、世界から招聘。
特に、アメリカでは先生レベルがあまっていて、教授になれない人も多い。
兼任もOKに。
インターネットで先生が海外から教えていく。
 
6.やはり知名度
名物キャスターやコメンテーター、芸能人でもいいから客員教授になってもらう。
とにかく知名度を上げることが大事。
 
7.入学時期の多様化
2学期制だけでなく、4学期制にしてもいい。
これはもう、カリキュラムを変更して、7月、10月、1月から入学できるようにしてもいい。
入学時期の多様化。
 
8.編入学の多様化
5月病になって大学を辞めてしまう学生も多い。
1年次9月編入で、学生数を増やしていく。
2年次、3年次、4年次編入制度も。
とくに4年次編入制度は、就職に失敗した学生が別の大学ブランドで再挑戦するきかっけになる。
通常は留年して5年生(5回生)になったりするけれども、心機一転で、新しい分野の知識も身につけるということで4年次編入のニーズはある。
多様な学生を受け入れることで、大学の活性化にもなる。

 

大学全入時代の中、どんどん大学がつぶれていく。
定員に満たない大学はたくさんある。
新設大学ならではの特徴をどんどん活かして、まったく新しい大学像を目指すといいと思う。