AO入試は就職活動そのもの 就活予備試験

大学入試でAO入試の是非を問う記事が出てきた。
AO入試に合格し、入学した学生(大和くん)がトラブルを起こしたり、就職後も何かとトラブルを起こしたり(小保方さん)しているという記事だ。
 
AO入試で入学している学生は多い。佳子さまもICUへはAO入試で入学だ。
 
AO入試は本当に問題があるのだろうか。
ぼくは否と答えたい。
多様な学生がその大学に入り、刺激を受け、与え、学生たちが輝くきっかけになる。
 
学部レベルの大学の授業にペーパー試験の学力はあまり必要ない。
ぶっちゃけ基礎学力がない学生も大学に入れる時代。
むしろ、やる気や授業に望む意欲が求められている。
そうした学生に応えられるよう教授(先生)が変わらないといけない。
先生も大変だ。中学レベルの授業から始めないといけない子もいるから。
 
ペーパー試験は、大学の序列化を生むだけ。
序列化で喜ぶのは有名私立大学だけ。
AO入試で入学した学生の一部を大きく報道することで、推薦入試もAO入試も出来なかった人たちのルサンチマン化になっている。

理系の場合、学力がないと授業についてこれないという致命的な問題があるため、AO入試で通った学生は入学後本気で頑張らないと中退や留年することになる。
実際、ペーパー試験で入った理系の学生でさえ留年率は高い。
留年が多いということは、私立大学からすると、年間の授業料が入るということ。

そして、文系の場合、就職浪人する学生が一定の割合で存在する。
私立大学はビジネス。ボランティアではない。
いかに学生に認知され、少しでもまともな学生を取り込み、きちんと授業料を確保していくか。

話題にはならないが寄附金も重要な要素。
今まで見えなかった裏口入学が、表立って、AO入試という名目で該当の学生を正規の手続きで入学できる。
親の資産も学生の能力の一つ。悔しいが事実だ。地方の底辺と呼ばれる私立大学にとっては、死活問題。

定員割れしないように学生を確保し、無事就職できるように斡旋もし、就職指導も行う。
AO入試は、推薦入試と同じくらい安定して学生を取り込むことが可能。

すべて学力試験だけで実施したら、大学の序列化を産み、いわゆる底辺校と呼ばれる私立大学は定員割れをしてしまう。

そこでAO入試AO入試で合格した学生は、なぜこの大学で学びたいかを面接官にアピールするため、学生自身、その大学に入学することを確約するようなもの。

有名ではないいわゆる底辺と呼ばれる私立大学では大事なお客様状態。
この状態は今後も続く。
特に地方の私立大学ではAO入試による入学割合は今後も増え続けると予想される。
それは、地方の私立大学が存亡の危機に瀕しているため。
 
海外からの留学生を招くAO入試も行われていくだろうと思われる。
日本の学生(高校生)に見向きされなくなったら、海外から呼び込む。
特に日本語熱が高いアジアからの学生だ。
そうした学生に対し、ペーパー試験は不要だ。
授業料を払ってくれる大事なお客様。
 
そして。
だいたい就職活動自体がAO入試のようなものだ。
ペーパー試験で企業に入るわけではない。

なぜこの会社を希望するか
筋道たったストーリーが必要。

就職活動に学力は関係なし。
昔は優の数が問われていたが、今は3年の後期から就職活動が実質始まっている。インターン制度だ。
インターンに採用されるためのペーパー試験などはない。
あるのはその企業に入りたい熱意だ。
大企業のインターンは有名大学で足切りされ、数回の面接や推薦で決まる。
一部の大学だけが許されるインターン制度。
地方の底辺の大学には縁のない話。
 
インターン制度が落ち着いた頃からやっとスタートライン。
そこで問われるのは学力ではない。その企業に入りたい「熱意」「情熱」そしてストーリー。
つまりAO入試は事実上、就活予備試験のようなもの。
今後も増えていく。