争点のない衆議院選挙の虚しさとコスト 選挙ビジネスの活況

争点のない衆議院選挙の虚しさとコスト 選挙ビジネスの活況

選挙実施のための費用は50億円と見積もられている
選挙は公共事業なので、この50億円は税金で支払われる。
人件費、広報費、会場設営費用、掲示板設置撤去など、もろもろとした事業が民間に委託される
人件費は主に地方公務員や町内会の人たちに謝礼として支払われ、もちろん無償ボランティアではない。
候補者ポスターを掲示する工事は専門の事業者に委託。競争発注などする時間はない。

選挙が実施されることで選挙ビジネスが興る。
選挙ビジネス(選挙に関わるビジネス)はいろいろとある。
まず事務所。短期間ではあるが、ある程度、広いスペースが必要。場所も中心部に。
候補者は、ボランティアへの人件費は出してはいけないが、お弁当などは用意することが可能。
お弁当宅配が活況。
広報のための宣伝カー(車)、スピーカー、デジタル機器周りのレンタル、購入。
選挙事務所設営のための電話(今はPHSのかけ放題が基本かな)、机、いすセッティング やることが多い。
うちわも作らないと。夏じゃないから、違うか。
ビラ、チラシ、候補者用の名刺。
印刷関係の事業がピークを迎える。
もちろんインターネット選挙も重要。HPの作成もひとつの選挙ビジネス。
SEO対策事業者が活況を迎えるのもこの頃だ。
相手陣営のHPに負けないサイトを作れという指令でデザイナーが苦心する。
候補者の写真加工はもちろん、いかに若くやる気があるように見せるか。
ホクロ、しわ取り、若返り。そして目に輝きを入れて、ほほを少し赤らめる。
細身にして眉毛をキリっとさせ、知的に賢く見せる。
実物とは大違い。悲しい現実だが、政治家になるには嘘をつくことが基本。
まず見せるところからウソを始め、次のウソのハードルを低くしていく。
 
そこから政治資金の会計のウソも始まっていく。
 
こうしたウソも含めて、これが民主化のためのコスト
金銭コスト
時間コスト
 
民主主義を維持することはコストがかかる。
その分、誰でも主義主張が出来、自由に自分たちの代表を選ぶことが出来る
 
文句があるなら、自ら出馬して主義主張を述べて賛同者を集めればいいとなる。
しかし出馬する気力もカネも意欲もない人たちにとっては、選択肢は限られる。
 
例えば今回の衆議院選挙。
争点がない。消費税先送りを争点だが、先送らずにすぐに上げろという政党がない。
3党合意が崩れたから、先送りするため、民意を問うことは大事。
 
自民党に変わる政権を担う政党がない。
 
今回の選挙は、事実上、安倍政権の是非を問うもの。
自民党の圧勝が予想されるが、これはある意味、安倍政権の安定化(長期化)になる。
 
今まで日本はコロコロと首相が変わっていた。
そういう中で、安倍政権が長期間安定的に政権を担うことは、日本の政治の安定化につながるので、よいことではあるが、なんだか虚しい選挙だなぁと思う。