小水力発電装置は本当に環境にやさしいか マイクロ水力の課題

水力発電装置は本当に環境にやさしいかどうか 
マイクロ水力の課題についてメモ
 
「環境」という言葉の定義をどこに置くか。 自然に軸を置いて考えてみる。
 
小水力は、小川や田んぼの脇に流れる川などに設置をしている。土地の利用権(所有権、借地権)と水利権をクリアすれば設置できる。
発電はするけれども、その電気を送電するためには、近くに配電柱がないと難しい。
独電柱(独立電柱)を設置して近くの配電柱、そして変電所まで電気を送電していく必要がある。
 
事故の可能性
感電 子供が遊んで感電した場合、誰の責任になるか
設置者責任が問われる
そのため、いたずらされないように柵を設置したりして管理
設置コスト高になっている。
中には柵を設置しないで発電機を設置しているところもあるが、子供がいたずらして感電したらどうするんだろう。

  
小魚の絶滅
マイクロ水力は羽で川の水力から動力を得てモーターに発電させていく。
切り刻まれた小魚、昆虫 
自然にやさしいと言えるかどうか
 
騒音
モーターを回しているので、どうしても騒音は出る。
川の流れの音、清流の音とは違って、ウンウンというモーターが回る音。そして羽が水をかき回すバシャバシャという音。
人里離れたところであれば、影響はないが、近くに民家があるところでは、騒音の課題に対しての賠償も考慮する必要がある。
 
メンテナンスコスト
川には残念ながら落ち葉やゴミ(ビニル買い物袋)などが流れて水力装置を詰まらせてしまう。
そのため管理者が随時清掃しないといけない。
毎日の清掃ボランティアではさすがに限界がある。
そのコストが一番大きい
 
メンテナンス人件費と設置コストの課題をクリアすれば、設置まではできるが、小魚といった生き物に対しては残念ながら犠牲になってしまう。
自然環境にはやさしいとは言えない。
ハードルはまだまだある。
田舎特有の妬みや僻み。
いろんなしがらみにとらわれず、村全体で村長や地元有力者、地域のリーダーが引っ張って実施しているところはこうした難題をクリア。
しかし都会からやってきた人間が、ヒョイっと設置しようものなら、あらゆる壁がやってくる。
おらたちの川で儲けやがってというドロドロのねたみ。
雇用を生むといっても見回りのメンテナンス要員で一人二人の雇用では納得されない。
水力の電気を使った工場といった大きな施設(ハコモノ)を作って、農家のお母さん(おばちゃん雇用)を雇用してはじめて集落(部落)で受け入れられる。
 
都会人が思っている以上に田舎で導入するにはハードルが高いのが現実。